photographer Shinji Nishimura web site
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昨年末のことだが、急に井戸水が出なくなったことがあった。
ポンプの故障か、水枯れか、水道管に何かあったのか、
不安な想像は膨らむばかりで、水がでないと何もできない・・・。

取り急ぎ、水の確保をしようと思ったのが、
この村の山奥にある湧水だ。
たくさんのポリタンクを積んで、汲みに来ている車を
たびたび見かけていたので、行ってみることにした。
家の井戸水も、十分おいしいので、
特に、湧水のことは気にはしていなかったのだが、
飲んでみると、まろやかで甘みがある水だった。

水は、大きな岩の裂け目から流れてくる岩清水で、水量は多くない。 
水汲みに来ている人は、手作りのジョウゴに、
長いホースを付けた道具を持参し、上手に容器に入れていた。
・・・後日、我が家でも作ることになった。

井戸は、その日の夜と翌朝に、知り合いの業者さんが修理してくれた。
幸いにも、スイッチの接触部分の交換で済んだ。
ポンプの故障がもたらした、湧水との出会いと水のありがたさ・・・。
それからは、度々そこを訪れるようになった。

白湯にすると、甘さが増してとても美味しい。
ご飯を焚くにも、焼酎のお湯割りにするにも、
この湧水は、我が家では、かかせないものとなった。
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5月に入り、庭の木々は青々と葉が茂り、
今年もまた一段と成長している。
昨夜からの雨で、輝くように美しい。
ウグイスやヒバリのさえずりが聞こえ、
水を張った田んぼからは、カエルが鳴き出した。
本当に、よい季節になった。

裏の雑木林では、自生している 「姫泰山木」 (ひめたいさんぼく)
の花が咲き、夕方から、辺り一帯は甘い香りに包まれる。
白い花のシベは真っ赤で、葉も大きく、
眺めていると、熱帯のジャングルにいるような気分になる。
なんとも、存在感のある花だ。

庭に植えた 「唐種小香玉」 (からたねおがたま) の花からも
バナナに似た、これもまた甘い香りが漂う・・・。
数年前行った植木市で、フッと香ったこの花の匂いが忘れられなくて、
数本、買い求めた。
唐種小香玉の花は、幼い頃嗅いだ懐かしい香りがするのだ。
きっと、小さい頃遊んでいた森の中の匂いなのかと思う。
香りは記憶を呼び起こす・・・。

自然の中でしか味わうことのできない感覚・・・。
こうゆうことが、身近で感じられるのは、とても贅沢なような気がする。
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数日前の夜中、銀三と朝吉が吠えていたので、
また野良猫でも来ているのだろうと思っていたら、
物置の裏側に、丸くなって怯えている小動物がいた。
最初イノシシの子供かと思ったが、よく見ると爪が長く、
穴熊かもしれない・・・。

その日は帰宅が夕方になるので、そのままにしておくしか方法はなく、
区長さんに連絡をしたら、村の猟師さんに頼んでおきましょうとの返事。
銀三達は落ち着いていたので、そのまま出かけることにした。

夕方家に帰り、猟師さんが来ると、すぐに穴熊だと判明した。
イノシシ以外は殺すことは出来ないらしく、逃がすことになった。
しかし、逃道をつくっても動かないので、輪を作ったロープに首を引っかけ、
引っ張り出そうとするのだが、威嚇してくるし、かと思えば首を下に丸めて
しまうので、なかなかかからない。
じきに区長さんも駆けつけ、網をかけたり籠をかぶせたり、約1時間かかって
捕獲した。 穴熊は山奥で放すと、勢いよく駆けていったそうだ。

その夜は、隣組の常会があって、早速その話が話題に上がった。
「穴熊は美味しいのにね~逃がしちゃったの・・・?」
「今夜は穴熊鍋だったのに・・・」「惜しいことしたね・・・」
・・・と言われ、さすがに、驚いてしまった。
昔は穴熊も大切なタンパク源だったらしい・・・。
穴熊を食べたことのあるおじさん達は、
そのあとも色々な動物の話で、盛り上がっていました。