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雷が苦手な銀三が、真夜中の閃光に悲痛な声をあげていたので、家の中に入れようとしたら、
小春までちゃっかり入り、その夜はそのまま泊まることになった。 翌朝、玄関を開けると、真正面に朝吉が不機嫌そうなコワイ形相で伏せていた。 そして立ちあがると右の前足を浮かせ、今度は不自由そうな姿で歩き始めた。 怪我、ねん挫、骨折・・・かと心配になり、近づいていっても避けるように離れ、 その朝は散歩を中止して様子を見ることにした。 夕方、気をもみながら帰宅すると、フェンスに両前足をつけ、大きくシッポを 振る姿を見て一安心した。 何事もなくよかったが、一晩取り残されたことが、かなりのショックで、 そのあまり飼い主の気を引こうとする「演技」のようだった。 以前も小春が同じように、右足を浮かせて痛そうにしていたことがあり、 心配して過剰な愛情を注いだが、まんまと策略にはまってしまった。 忘れた頃に銀三までも同じしぐさをしたが、それはすぐに見破った。 動物病院の先生に尋ねても、精神的な事でそのような話は、今まで聞いたことが ないと不思議がられたが、うちの犬達は賢いにズルが付いた確信犯なのか? |
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