銀三、小春、朝吉は、全速力で走るのが大好きである。 犬は本来、走ることが得意な動物ではあるが、 スピードが上がって体が一直線になる時点では、 空を飛んでいるような感覚になるそうだ。 足の爪で地面をしっかりととらえて走るフォルムは、 観ていて本当に美しい。
いつも思うことだが、犬の家族の日常を観察するのは非常に面白い。 朝吉が産まれ、雄犬2頭と雌犬1頭の計3頭で生活することになると、 動物病院の先生からは、雄犬の権力争いが心配だとアドバイスを受けた。
しかし、朝吉は銀三に物事を習い、それを学習する様は、 人間の親子のようで、固いきずなで結ばれていると感じる。 少々臆病な性格が、幸いしているのかもしれない。
大人になっても両親と一緒に生活し、メイドインニシムラの朝吉は、 かなりのボンボン的性格であるのも確かだ。 銀三にはかなわないと、本能的に分かっているのだろう。 決して逆わらず、従っている。
小春は、いつまでたっても朝吉が心配な様で、 たまに夫が朝吉を叱っている時などは、間に入ってかばう程だ。 他にもたくさん色々なことがあるが、 見ていて飽きることない、甲斐犬銀三一家である。 本年も、銀三一家共々よろしくお願いいたします。
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