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今朝はショックだった。 いつもより山の奥へ散歩に行ったら、案の定、小春はウサギを追って行方不明になる。
朝吉と銀三はしばらくして戻って来たので一緒に帰り、玄関近くのテーブルで朝食をとろうと思っていたら、 小春がいつものように申し訳なさそうに帰ってきた。 目の部分に何か付いていたのでよく見ると、枝木のような木片が右目の中に刺さっていた。 まずいことになったとかなり動揺したが、病院はまだ開いていないし、とりあえず食事をと思ったが、 食欲もなく何ともいえない重苦しい空気だけが漂っていた。 かわりに辛い心の痛みを充分にあじわった。 急いで病院へ行き、お世話になっているT先生に、診察していただく。 鎮静と麻酔の注射を打ったあと、 治療中に「よし!」と先生の力強い声が聞こえ、順調に進んでいる様子がうかがえた。 幸い眼球には刺さってないことがわかり、失明の心配は消え、安堵と喜びの思いでいっぱいになる。 なすすべもなく、すがる思いで行った医者の冷静かつ的確な判断と治療、寛容な精神に心より尊敬と感謝である。 |