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「足利事件、菅家さん無罪判決」の報道を見て、代官山に住んでいた時の事を思い出した。
夕方家に帰ると、妻が「刑事さんが待っているよ」という。 外へ出ると刑事2人がいて、車の後部座席に乗せられた。 上野にある信用金庫から現金が 強奪される事件があり、逃走した黒のオートバイとプレートナンバーが、似ているという事だ。 当時、どこで何をしていたのか云々・・・仕事の内容から日常生活のことまで長々と事細かに 尋問され、あたかも犯人扱いの理不尽な言動である。 その日はそれで終わったが、3~4日後 また連絡があり、再度車に乗せられた。 当時の様子をもっと聞きたいという。 目撃されたバイクの形がよく似ているらしく、おまけに 犯人は長髪だったようだ。 思わず自白しそうになったが、事件当日は知り合いのモデル撮影 をしていたので、何とか容疑がはれたようである。 そのモデルさんにまで聞き込みがあり、迷惑をかけてしまった。 それにしても捜査員の取り調べ方というのは、何としてでも犯人に仕立て上げようと、傲慢である。 数日間は容疑者状態で生活していたわけで、菅家さんは18年間、ほんとに気の毒に思う。 アリバイがあり、「クロ」じゃないことがわかると、名刺を差し出し、何か困ったことが起きたら、 いつでも連絡しなさいという。 申し訳なかったということだろうが、その後福岡へ移り住むことになり、転居知らせを送ると、 ある日電話があり、「何か言いたい事や、隠している事でもあるんじゃないの?」と云っていた。 あくまでも「グレー」だったわけで、名刺はすぐに破り捨てた。 |